時間に追われる看護師のための処世術

いつも時間に追われ、「患者さんともっと話したいのにできない」という思いを抱いている看護師もいらっしゃるかと思います。看護師は人手不足が深刻な業界であり、多くの看護師が「もっと時間に余裕があれば…」「もっとスタッフの人数が多ければ…」と、いろいろな「もっと…だったら」を追い求めながら働いている現状があります。常に目の前の業務に追い立てられ、想定外の突発的な対応に飲まれるような事例は日常茶飯事です。そんな業務をただこなしているような状況では、いずれ精神的にも肉体的にも消耗し、ミスやトラブルを誘発してしまいます。

そこで大切なのが「業務の独占をやめる」ということです。責任感が強い人ほど、「私がやらないと」「私の方が早いから私がやるべき」などという意識を持って、全部自分だけでやろうとしてしまいがちです。しかし、これはチーム医療の在り方から外れている考えであり、結果的に自分の首を締めるような形になってしまいます。実際、「自分がやらないといけない」と思っている仕事は、案外他の誰かが対応しても良い内容であったりします。時間が空いている人に積極的に頼む、自分の時間が空いていれば手伝う、これをフレキシブにやっていけば、全体的な作業効率は上がります。責任感を業務独占とはき違えると、仕事に追われ、時間に追われることになってしまいます。それと同時に、「始める時間と終える時間を決める」といった考えも大切です。MTGの開始時間は決めているのに、終わる時間が延長するのはかまわない、という人が非常に多いのが日本人の特徴です。しかしそれでは、大事な結論を先延ばしにしてしまいがちです。どんな業務においても、なるべく終了時間も決めるようにしましょう。